国鉄誕生と鉄道事故

少し時代を戻して、終戦直後のお話をしたいと思います。この章は概ね昭和20年から昭和25年頃までのお話です。

国鉄の復興

     戦争で交通機関等も破壊された日本において、最低限必要な旅客・貨物輸送を確保するのは喫緊の課題であった、大量輸送という点では内航海運は有利であるが、戦争中に徴発されたこともありまた、港の破壊などで早急な復興は無理であり、自動車輸送にあっても早急な改善は無理なことから、鉄道輸送を早急に復旧させる必要がありました。
     このため、政府は終戦と同時に鉄道復興5ヵ年計画を立て、国鉄の復旧に全力を注ぐこととなりました、その内容としては車両の新製(1,259両)、被災車両の復旧、被災軌道の復旧、電化工事の推進などでした。特に電化工事は戦前は、国防上の理由から中々進展していませんでした。、国鉄(当時は運輸省)でも、戦時中の輸送制限(切符の発行枚数の制限など)を緩和と乗車秩序の確保策をとりますが、中々思うようには復旧は進みませんでした。
     といいますのも、肝心の資財を提供できる工場や施設が破壊されているわけですから思うようには進まないわけです。特に資財では鉄材が不足し老朽化したレールの更改などが中々進みません。
     政府は、昭和23年復興計画の見直しが行われ、鉄道・石炭・鉄鋼・電力を重点産業部門として位置付け、その復興が推進されることとなりました。これにより車両の生産及び修繕能力は戦前の水準にようやく回復することができましたが、実際の車両の生産や電化などはドッジラインの影響で中々思うように進みませんでした。
     終戦直後の国鉄の輸送人員は一日平均で約700万人、戦争中に比べ15%の減少でしたが、旅行制限の緩和などで次第に輸送量は増えて戦時中を凌ぐ状況となってきましたが、昭和20年12月以降、石炭危機が発生し、列車に一部を削減せざるを得ない状況となりました。さらにそこに買出し客が増えるうえ、敗戦に伴う人心の荒廃から乗車秩序は乱れ、混乱状態に更に拍車をかけることとなります。
     このため、輸送力を確保するため昭和21年度には急行列車廃止と2等車(現在のグリーン車)の連結中止、学生定期の使用禁止、遠距離旅客の抑制といった規制を再び設けざるを得なくなりました。
    これは戦時中に日本に連行された朝鮮・中国人労働者の就業拒否などが原因と言われていますが詳細は、今後さらに勉強したいと思います。
      これに伴う、関連資料はこちら。国立国会図書館の資料を参照

混乱期の事故

     終戦当時はその疲弊した設備もあいまって多くの事故が発生し、事故の無い日のほうが珍しいと言われるほどの混乱していました。
    詳細は、幣ページの昭和20年からを見ていただくとして、多くに事故が発生している。
     これには、戦時中の酷使などで発生したと思われる蒸気機関車のボイラー破裂事故などもあります。
     主だった鉄道事故を拾ってみても
     肥薩線内トンネル事故 8/22
     荷重超過のため上り勾配のトンネル内で立ち往生した列車をバックさせようとしたところ、既に列車を降りて線路を歩いていた乗客と接触し49人が死亡、20人が負傷した事件であった。
     八高線 小宮〜拝島間八高線で正面衝突 8/24
     買出しで満員の列車が、小宮〜拝島間の多摩川鉄橋上で衝突、104人が死亡した事故
     これは、前日の台風の影響で通信が途絶えており、本来であれば指導式と呼ばれる運転方法を行うところこれを行わずに列車を発車させてしまったために起こった事故で、保安の基本が判っていない事故であった。
     ボイラ破裂で機関車転落 10/19
     醒ケ井駅構内で、D52形蒸気機関車のボイラーが爆発、機関車は近くの川に転落、この事故で乗務員2名が即死、一人も後に死亡の事故
     この種の事故は当時多発したとされており、今後調査の上まとめていければと思っています。
     東海道線の列車追突事故 11/19
     山科駅で停車中の普通列車に、貨物列車の機関士が居眠り運転で追突。6名が死亡
     津山線 車軸折損による脱線事故 11/27
     など・・・・
    他にも、昭和21年6月4日には、中央線 東中野〜大久保間で急行電車が走行中に木製ドアを破損、数人の乗客が転落死という事故も発生しています。当時の電車は、ガラス窓は無くて板を釘で打ち付けていたりといった車両が多く、この事故がドアの鋼製化を進めるきっかけとなりました。

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