国立国会図書館から引用

企業再建整備法に基く資産評価基準に関する件

昭和22年1月17日 閣議決定

 企業再建整備法に基く資産評価基準については、日本政府に於いて慎重に研究を続けて来たが、その結果今回「企業再建整備法に基く資産評価基準要綱案」を別紙の通り作成し、閣議に於いて決定したので、近く設置される経済再建整備委員会に附議し正式に決定する予定であるが、予め貴司令部の了解を得て置き度い。但し、此の案の決定については、左記各項の措置をとることを前提条件とするものであるから、この点も併せて了解を得たい。


一、特別損失を補填する限度に於いて流動資産の評価益を計上した場合には、当該評価益に対しては課税をしないこと。
二、この案に於いては企業の資産評価を相当低くしてあるので、その結果金融機関に対する国家補償の限度が一〇〇億で不足し必要已むを得ずと認められる場合に於いては、その限度を引上げて新勘定預金に損失を負担せしめないやうにすること。
三、評価が低いことに因って生じる株主と旧債権者との間の負担の不公平及び解散会社の株主と存続会社の株主との間の会社の含み益享受に関する不均衡については、例へば特別損失を負担した旧債権者の残存債権を株式に転換せしめること。資本金の零となる会社を増資、減資により存続せしめて増資株を旧株主に優先的に割当てること等適当なる是正の方法を講ずること。
 備考
 金融機関については、その特殊な性質に鑑み別途評価基準を設ける。
  (別紙)
企業再建整備資産評価基準(案)
一、指定時後評価時迄に処分した資産及び整備計画において処分することを定めた資産は固定資産及び流動資産共に処分価格又は処分見込価格から処分に要した又は要すべき費用を控除した額とする。但し、新勘定に所属する流動資産であって評価時迄に処分したものについては処分価椿の八割五分に相当する額とする。
 (註)旧勘定に所属する資産の処分については処分損益は新旧勘定併合の時迄に旧勘定に生ずる益金に含まれて別に特別損失を填補すべき益金に計上されるので資産の評価としては帳簿価格による。
二、前号の資産以外の費産は左の方法により評価する。
 (一)有形固定資産は取得価格から償却額(但し償却額が法定普通償却額を超える場合においては法定普通償却額、以下同じ)と資産の滅失、毀損、損壊、変敗、用途変更その他の事情による価格の滅少額が償却額を超える場合における超過額との合計額を控除する。
 (註)法定普通償却額とは会社固定資産償却規則による強制償却額とする。
(二)無形固定資産は新勘定に所属するものは帳簿価格とし旧勘定に所属するものは原則として0とする。
(三)棚卸費産は左の方法により評価する。但し滅失、毀損、損壌、変敗、用途変更その他の事情により価格が減少した場合にはその減少額を控除する。
 (1) 製品は指定時における公定価格(協定価格等を含む。これらの価格のないものは類似品の公定価格を基準として定めた価格)からその一割五分を基準として適正なる販売経費及び販売利益を控除した金額とする。
 (2) 仕掛品及び半製品は原材料の公定価格に適正加工費((1)による製品の評価額から原材料の公定価格を控除した金額に工程率を乗じて算定する)を加へた金額とする。
 (3) 原材料は指定時におげる公定価格とする。
(四)債券を除く有価証券は左の方法により評価する。但しビルブローカー及び証券引受業者の所有する有価証券についてば金融機関再建整備法に基く評価基準による。
 (1) 公債は発行価格とする。但し利率四分以上の国債及び国債以外の公債で利率四分五厘以上のものの価格はその額面金額とする。
 (2) 株式については左の方法により評価する。
  (イ) 特別経理株式会杜、金融機関及び閉鎖機関の発行する株式は減資後の払込金残存見込額とする。
  (註)企業再建整備法第九条の規定により金融機関等に通知する際の評価は仮りに払込金額の一割として計算する。
  (ロ) 其他の会社の発行する株式については気配相場あるものは評価時前一月の平均気配相場とし気配相場のないものは払込金額又は帳簿価格の中孰れか低い価格とする。
(五)貸付金、前払代金、立替金、売掛金、社債及び仮払金等の債権
 (1) 旧勘定に所属する債権中特別経理会社、金融機関及び閉鎖機関に対する債権は債務者たる特別経理会社の特別損失等を債権に負担せしめた後の残存見込債権額とする。
 (註)企業再建整備法第九条の規定により金融機関に通知する際の評価は仮りに帳簿価格の近割として計算する。
 (2) 新勘定に所属する債権及び旧勘定に所属する債権中(1)に属する債権以外の債権は帳簿価格とする。
 (3) 第二封鎖預金は金融機関の確定損を負担した後の残存見込額とする。
 (註)企業再建整備法第九条の規定により金融機関等に通知する際の評価は仮りに0として計算する。
 (4) 未経過利息、未経過割引料、前払家賃及び前払地代は帳簿価格とする。
 (5) 仮払金に計上した経費支出の中も繰延損金と認められるものはOとし経費の前払と認められるものは帳簿価格とする。
(六)賠償指定物件中機械装置及びこれと一体をなす建物はOとする。
(七)在外資産はOとして計算する。
(八)未払込資本金については払込を徴収すべきものはその徴収可能見込額とし、徴収せざるものは帳簿価格とする。
備考
 旧債権に特別損失を負担させない特別経理会社は本評価基準に定める価格以下に資産を評価することができる。

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