国立国会図書館から引用

炭鉱労務者物資(主食及び副食物を除く)の配給実施要領

昭和23年3月27日 閣議決定

炭鉱労務者向物資の供給については、昭和二十二年三月二十九日閣議決定にかかる「炭鉱労務者所要物資供給確保対策」に基つき万難を排してその最優先取扱の方針を堅持して今日に至ったのであるが、今回特に計画出炭確保の各般の施策が強化充実せられるのに対応し、最近における物資供給力そ勘案して特配物資の数量及び品目につき調整追加をなすと共にその個々人に対する配給はその勤労度に相応するよう敵性基準を設定する外その敏速適確なる配給確保につき徹底した措置を講ずることとしこれに関する実施の要領を次の通り定め昭和二十三年四月一日からこれを実施する。
 一 配給物資の種類
  本要領により配給すべき物資の種類及びその区分を次の通りとする。
  (1) 作業衣 手袋、タオル又は手拭、下着(褌を含む)、靴下、寝具等の繊維製品、地下足袋、石鹸等・・・・・・(以下第一号物資という。)
  (2) 国産煙草、輸入紙巻煙草、同パイプ煙草、同砂糖、キャラメル、サッカリン又はズルチン、食用油、酒等の嗜好品・・・・・・(以下第二号物資という。)
 二 配給対象
  (一) 物資の配給を受け得る者は炭鉱労務者に限ることとし、これが物資配給上その職種を次の三級に区分する。
   級別         種類
   A級   坑内直接夫(例)採炭夫、充填夫、掘進夫、仕操夫
   B級   A級以外の炭鉱夫及び坑内現場係員
   C級   (1) 郊外重労務者(例)運搬夫、送炭夫その他これ等と同等の労働に従事する者 
        (2) (1)以外の坑外労働者(例)坑外保安夫、火薬係員その他これと同等の労働に従事する者
  (二) 各炭鉱は各級に該当する職種の明細区分を決定しなければならない。
  (三) 各炭鉱における物資配給委員会は各級内の労務者を更にその労働度に応じ適当な差等を設けて区分することができる。
  (四) 坑外現場係員にして通常C級の(1)又は(2)と同等の労働に従事する者についてはその労働度を査定して、C級の(1)又は(2)に区分するものとす。
  (五) 前三項の決定及び変更をなす場合は石炭局長の承認を受けなければならない。
 三 配給基準
  各物資の配給は第一号物資については稼働日制により第二号物資については点数制によりこれを実施することとしてその基準を次の通り定める。
  尚本要領による稼働日数は各炭鉱における所定一日の労働時間を完全稼働した場合を稼働日一日として換算するものとす。
  (一) 第一号物資配給基準
   (1) 第一号物資中左に掲げる物品は労働者が左の前稼働日数毎に一単位量の配給を受ける。
    (表省略)
   (2) 右の外靴下、ゲートル、寝具等は各鉱山に一括割当を受けたものにつきその炭鉱の物資配給委員会は石炭局長の承認を受けてこれを配給する。
   (3) 新規採用者に対してその採用の時に第一号物資の配給をなす必要ある場合は前渡しの形式で配給する。
  (二) 第二号物資配給基準
   (1) 労務者は一月につき十日以上稼働した場合その稼働日一日当り左の点数を取得する。
       坑内外夫別
      坑内夫    一〇日以上二〇日迄     四点  三点  二点
      坑外夫    一〇日以上二三日迄     四点  三点  二点
      坑内夫    二一日以上         七点  五点  三点
      坑外夫    二四日以上         七点  五点  三点
     但し常磐炭鉱(湯本、鹿島、盤崎、内郷)三池炭鉱(四ツ山坑)及び端島炭鉱における坑内高熱作業上に於いて作業に従事する炭鉱夫については前記基準日数を二日に限りさげることが出来る。
   (2) 前項により点数を獲得した者は左の物資中でその点数に相当する数量を自由に選択することができる。
   (3) 右により同一人の取得し得る物資の最高量は左の最高制限量を超えることができない。但し同一人が各物資につき最高制限量を取得してもなお取得した点数に残余がある場合は右の制限にかヽわらず 更にその鉱山に割当てられた数量の範囲内において物資を□抉することができる。
    (表省略)
 四 配給委員会
  炭鉱労務者用物資の公正且つ円滑なる配給を期するため各炭鉱に物資配給委員会を置く。委員会は坑内夫、坑外夫、現場係員及び経営者の代表を以て構成しその委員の比率はそれぞれ八、三、二、二とする。
 五 配給方法
  炭鉱労務者用物資の適確且つ敏速なる配給を期するため割当とその要請との関係を明確にし且つ各物資につき各炭鉱毎に一括荷受購買せしめる措置を講ずることとし、その要領は別にこれを定める。
 六 昭和二十三年度における割当数量
  (一) 差当り二十三年上半期につき別表一の通り定め、労務者数に応じ四半期毎に補正をなす。但し地下足袋(ゴム長靴、炭鉱靴を含む)についてはこの需給の関係上この割当総量を増加しない。
  (二) 右の三千六百万瓲を基準とする各月出炭割当を超え且つ基準瓲カロリーを維持した炭鉱並びに基準瓲カロリーの著しく向上した炭鉱に対し外国紙巻き煙草(総量上半期四千万本)、砂糖(総量上半期二七〇瓲)を別途特配することとし、その配給に関する細目は別にこれを定める。
  (三) 原材料の輸入減その他の事由によりその割当基本計画による供給総量が著しく減少するの止むなき場合は各炭鉱に対する割当総量の範囲内において当該炭鉱における物資配給委員会の決定によりC級の職種別配給基準の変更によりこれを調製するものとす。
 七 経過措置
  (一) 昭和二十二年三月三月二十九日閣議決定により炭鉱労働者用に二十二年分としての中央割当予定数量中本要領施行の実現に未だ割り当て未済のものは衣料品を除き本要領によりこれを配給する。
  (二) 右の衣料品については、本要領による割当数量の現物化を優先取扱うこととしてその現物化に支障なき場合前記の割当未済数量についても可及的速かにこれが現物化の措置をとるものとす。
  (三) 本要領の細目については昭和二十三年四月より同年六月までの実績を検討し変更を加えることがある。
 八 実施計画の提出及び実施状況の報告
  (一) 本要領に定める物資の供給官庁は石炭庁の提出資料に基く各四半期別実施計画を作成して、その期の前々月二十日までに経済安定本部に提出してその承認を受くるものとす。
  (二) 石炭庁は右計画に基く各月実施状況を翌月十五日までに経済安定本部に報告するものとす。
  (表省略)

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