裁判所法の一部を改正する等の法律

法律第二百六十号(昭二三・一二・二一)

第一条 裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第三章 簡易裁判所」を

第三章 家庭裁判所

第四章 簡易裁判所

  に改める。

  第二条中「及び簡易裁判所」を「、家庭裁判所及び簡易裁判所」に改める。

  第十条第一号中「判断するとき。」の下に「(意見が前に大法廷でした、その法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するとの裁判と同じであるときを除く。)」を加える。

  第十三条中「事務局」を「事務総局」に改める。

  第二編中第十四条の次に次の一条を加える。

 第十四条の二(最高裁判所図書館)最高裁判所に国立国会図書館の支部図書館として、最高裁判所図書館を置く。

  第十六条第一号から第三号までを次のように改める。

  一 地方裁判所の第一審判決、家庭裁判所の判決及び簡易裁判所の刑事に関する判決に対する控訴

  二 第七条第二号の抗告を除いて、地方裁判所及び家庭裁判所の決定及び命令並びに簡易裁判所の刑事に関する決定及び命令に対する抗告

  三 刑事に関するものを除いて、地方裁判所の第二審判決及び簡易裁判所の判決に対する上告

  第十九条中「地方裁判所」の下に「又は家庭裁判所」を加える。

  第二十四条第二号及び第三号を次のように改める。

  二 第十六条第一号の控訴を除いて、簡易裁判所の判決に対する控訴

  三 第七条第二号及び第十六条第二号の抗告を除いて、簡易裁判所の決定及び命令に対する抗告

  第二十八条中「他の地方裁判所」の下に「、家庭裁判所又はその高等裁判所」を加える。

  第三編第三章を第四章とし、第三十一条の次に、次の一章を加える。

第三章 家庭裁判所

 第三十一条の二(構成) 各家庭裁判所は、相応な員数の判事及び判事補でこれを構成する。

 第三十一条の三(裁判権その他の権限) 家庭裁判所は、左の権限を有する。

  一 家事審判法で定める家庭に関する事件の審判及び調停

  二 少年法で定める少年の保護事件の審判

  三 少年法第三十七条第一項に掲げる罪に係る訴訟の第一審の裁判

   家庭裁判所は、禁錮以上の刑を科することができない。

   家庭裁判所は、この法律に定めるものの外、他の法律において特に定める権限を有する。

 第三十一条の四(一人制・合議制) 家庭裁判所は、審判又は裁判を行うときは、一人の裁判官でその事件を取り扱う。但し、他の法律において裁判官の合議体で取り扱うべきものと定められたときは、その定に従う。

   前項但書の合議体の裁判官の員数は、三人とし、そのうち一人を裁判長とする。

  第三十一条の五(地方裁判所の規定の準用) 第二十七条乃至第三十一条の規定は、家庭裁判所にこれを準用する。

  第三十三条第一項第二号中「未遂罪に係る訴訟」の下に「(第三十一条の三第一項第三号の訴訟を除く。)」を加える。

  第四十一条第二項中「法務庁事務官、法務庁教官又は少年審判官」を「法務庁事務官又は法務庁教官」に改める。

  第四十二条第一項第五号を次のように改める。

  五 裁判所調査官又は司法研修所教官

  第四十四条第一項第四号中「法務庁事務官、法務庁教官又は少年審判官」を「法務庁事務官又は法務庁教官」に改める。

  第五十条中「高等裁判所又は地方裁判所」を「高等裁判所、地方裁判所又は家庭裁判所」に改める。

  第五十三条第三項中「事務局」を「事務総局」に改める。

  第五十四条中「(最高裁判所長官秘書官)」を「(最高裁判所の裁判官の秘書官)」に改め、同条第一項中「最高裁判所長官秘書官一人」の下に「及び最高裁判所判事秘書官十四人」を加え、同条第二項中「最高裁判所長官秘書官」の下に「及び最高裁判所判事秘書官」を加え、同条第三項中「最高裁判所長官の」の下に「、最高裁判所判事秘書官は、最高裁判所判事の」を加える。

  第五十六条の次に次の二条を加える。

 第五十六条の二(最高裁判所図書館長) 最高裁判所に最高裁判所図書館長一人を置き、裁判所の職員の中からこれを命ずる。

   最高裁判所図書館長は、最高裁判所長官の監督を受けて最高裁判所図書館の事務を掌理し、最高裁判所図書館の職員を指揮監督する。

   前二項の規定は、国立国会図書館法の規定の適用を妨げない。

 第五十六条の三(高等裁判所長官秘書官) 各高等裁判所に高等裁判所長官秘書官各一人を置く。

   高等裁判所長官秘書官は、二級とする。

   高等裁判所長官秘書官は、高等裁判所長官の命を受けて、機密に関する事務を掌る。

   第五十九条第一項中「各高等裁判所及び各地方裁判所」を「各高等裁判所、各地方裁判所及び各家庭裁判所」に改め、同条第二項中「各地方裁判所長の」の下に「、各家庭裁判所の事務局長は、各家庭裁判所長の」を加える。

   第六十条第一項中「各高等裁判所又は各地方裁判所が、」を「各高等裁判所、各地方裁判所又は各家庭裁判所が、」に改める。

  第六十一条の次に次の一条を加える。

 第六十一条の二(少年保護司) 各家庭裁判所に少年保護司を置き、裁判所事務官又は裁判所技官の中から、最高裁判所の定めるところにより、最高裁判所又は各家庭裁判所が、これを補する。

   少年保護司は、第三十一条の三第一項第二号の審判に必要な調査その他少年法で定める事務を掌る。

   最高裁判所は、少年保護司の中から、上席少年保護司を命じ、調査事務の監督、地方少年保護委員会その他の機関との連絡調整等の事務を掌らせることができる。

   少年保護司は、その職務を行うについては、裁判官の命令に従う。

  第六十三条第一項を次のように改める。

   各裁判所に廷吏を置く。廷吏は、別に法律で定める員数を限り、三級とすることができる。

  第六十四条を次のように改める。

 第六十四条(任免・敘級) 裁判官以外の裁判所の職員の任免及び敘級は、最高裁判所の定めるところにより最高裁判所、各高等裁判所、各地方裁判所又は各家庭裁判所がこれを行う。

   第六十五条中「事務局長又は裁判所書記」を「事務局長、裁判所書記又は少年保護司」に改め、「裁判所技官」の下に「(少年保護司たるものを除く。)」を加え、「各高等裁判所又は各地方裁判所」を「各高等裁判所、各地方裁判所又は各家庭裁判所」に改める。

   第八十条中第四号を第五号とし、同条に第四号として次の一号を加える。

   四 各家庭裁判所は、その家庭裁判所の職員を監督する。

第二条 裁判官及びその他の裁判所職員の分限に関する法律(昭和二十二年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項中「地方裁判所及び簡易裁判所」を「地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所」に改める。

  第十四条第一項中「免官は、一級のものについては、裁判所職員高等懲戒委員会の議決を具した最高裁判所の申出により内閣が、」を「免官及び減俸は、一級のもの及び」に、「各高等裁判所又は各地方裁判所」を「各高等裁判所、各地方裁判所又は各家庭裁判所」に改め、同項第二号の次に第二号の二として次の一号を加える。

  二の二 最高裁判所判事秘書官

  第十四条第一項第三号の次に第三号の二として次の一号を加える。

  三の二 高等裁判所長官秘書官

  第十四条第三項中「第一項」を「前項」に、「各高等裁判所又は各地方裁判所」を「各高等裁判所、各地方裁判所又は各家庭裁判所」に改め、同条第二項を削る。

第三条 判事補の職権の特例等に関する法律(昭和二十三年法律第百四十六号)の一部を次のように改正する。

  第一条第一項中「同法第二十九条第三項」の下に「(同法第三十一条の五で準用する場合を含む。)」を、「地方裁判所」の下に「又は家庭裁判所」を加える。

  第二条の次に次の一条を加える。

 第二条の二 裁判所構成法による司法官試補たる資格を有し、満洲国の学習法官、高等官試補又は前条に掲げる満洲国の各職の在職年数が通算して二年以上になる者については、その二年に達した時に裁判所構成法による判事又は検事たる資格を得たものとみなして、前項の規定を準用する。

第四条 裁判所職員の定員に関する法律(昭和二十二年法律第六十四号)の一部を次のように改正する。

  第四条中「専任四千六百九人 三級」を「専任四千五百五十一人 三級」に改める。

  第五条の次に次の一条を加える。

 第六条 三級の廷吏の員数は、専任五十八人とする。

第五条 検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。

  第二条第三項中「高等裁判所又は地方裁判所」を「高等裁判所、地方裁判所又は家庭裁判所」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。

  地方検察庁は、各家庭裁判所にも、それぞれ対応するものとする。

  第十九条第一項第三号中「少年審判官、」を削る。

  第三十八条中「司法省参事官、」の下に「少年審判官、」を加える。

第六条 法務庁設置法(昭和二十二年法律第百九十三号)の一部を次のように改正する。

  第十条第五項第二号及び第三号並びに第十五条第二項及び第三項中「少年裁判所」を「家庭裁判所」に改める。

第七条 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。

  第四百六十三条但書を削る。

第八条 家事審判法(昭和二十二年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  「家事審判所」を「家庭裁判所」に改める。

  第二条及び第三条を次のように改める。

 第二条 家庭裁判所において、この法律に定める事項を取り扱う裁判官は、これを家事審判官とする。

 第三条 審判は、特別の定がある場合を除いては、家事審判官が、参与員を立ち合わせ、又はその意見を聴いて、これを行う。但し、家庭裁判所は、相当と認めるときは、家事審判官だけで審判を行うことができる。

  調停は、家事審判官及び調停委員を以て組織する調停委員会がこれを行う。前項但書の規定は、調停にこれを準用する。

  第十条第二項及び第二十二条第二項第一号中「地方裁判所」を「家庭裁判所」に改める。

第九条 左に掲げる法律中「家事審判所」を「家庭裁判所」に改める。

 戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)

 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)

 人事訴訟手続法(明治三十一年法律第十三号)

 精神病者監護法(明治三十三年法律第三十八号)

 民法(明治二十九年法律第八十九号)

附 則

第十条 この法律は、昭和二十四年一月一日から施行する。但し、裁判所法第十四条の二、第五十六条の二、判事補の職権の特例等に関する法律第二条の二及び裁判所職員の定員に関する法律第六条の規定並びに裁判所法第十条、第六十三条第一項及び裁判所職員の定員に関する法律第四条を改正する規定は、この法律公布の日から施行する。

第十一条 第一条中裁判所法第十六条、第二十四条及び第三十三条を改正する規定は、この法律施行前に公訴の提起があつた事件については適用しない。

2 前項の事件については、改正前の規定は、この法律施行後も、なおその効力を有する。

第十二条 この法律施行前における少年審判官の在職は、この法律による改正後の裁判所法第四十一条、第四十二条及び第四十四条の規定の適用については、裁判所調査官の在職とみなす。

第十三条 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第六十三条第二項の家庭裁判所は、同法施行の際事件が係属する少年審判所の所在地を管轄する家庭裁判所とする。

第十四条 この法律施行の際現に家事審判所に係属している事件及びこの法律による改正前の家事審判法(以下旧家事審判法という。)第四条の規定によつて地方裁判所に係属している事件は、この法律施行の日に、その家事審判所又は地方裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所に係属したものとみなす。

2 家事審判所の審判に関する抗告事件及び旧家事審判法第四条の規定による抗告事件でこの法律施行の際現に抗告裁判所に係属しているものは、家庭裁判所の審判に関する抗告事件とみなす。

3 前二項の事件において、この法律施行前に旧家事審判法によつてした家事審判所その他の者の行為は、別段の定のある場合を除いては、改正後の家事審判法(以下新家事審判法という。)の適用については、同法によつてした行為とみなす。

第十五条 この法律施行前に確定した家事審判所の審判又は同日以前に家事審判所において成立した調停は、その家事審判所の所在地を管轄する家庭裁判所の審判又は同裁判所において成立した調停とみなす。

第十六条 この法律施行前にした行為に対する過料に関する規定の適用については、旧家事審判法は、この法律施行後も、なおその効力を有する。この場合において、過料の審判は、旧家事審判法によれば権限を有すべき家事審判所の所在地を管轄する家庭裁判所が行う。

2 この法律施行前に参与員又は調停委員の職にあつた者の行為に対する罰則の適用については、旧家事審判法は、この法律施行後も、なおその効力を有する。

第十七条 家事審判法施行法(昭和二十二年法律第百五十三号)によつて家事審判所の審判とみなされる裁判は、この法律施行後は、家庭裁判所の審判とみなす。

第十八条 家事審判法施行法第二十四条第二項の規定によつて管轄家事審判所に差し戻すべき事件は、この法律施行後は、管轄家庭裁判所に差し戻さなければならない。

2 前項の規定によつて差し戻した場合には、その事件において家事審判法施行法による改正前の非訟事件手続法によつてした裁判所その他の者の行為は、新家事審判法の適用については、同法によつてした行為とみなす。

第十九条 民法の一部を改正する法律(昭和二十二年法律第二百二十二号)附則第十四条第二項又は第二十七条第三項(同法附則第二十五条第二項但書、第二十六条第二項及び第二十八条において準用する場合を含む。)の規定によつて家事審判所が行うべき審判は、この法律施行後は、家庭裁判所が行う。

(法務総裁・内閣総理大臣署名)

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