富裕税法

法律第百七十四号(昭二五・五・一一)

目次

 第一章 総則(第一条―第六条)

 第二章 課税価格及び税率(第七条―第十一条)

 第三章 財産の評価(第十二条―第十七条)

 第四章 申告及び納付(第十八条―第二十二条)

 第五章 更正及び決定(第二十三条―第二十五条)

 第六章 再調査、審査及び訴訟(第二十六条―第三十条)

 第七章 雑則(第三十一条―第四十一条)

 第八章 罰則(第四十二条―第四十八条)

 附則

   第一章 総則

 (納税義務者)

第一条 左に掲げる者は、この法律により、富裕税を納める義務がある。

 一 課税時期(毎年十二月三十一日午後十二時をいう。以下同じ。)においてこの法律の施行 地に住所を有し、又は一年以上居所を有する個人

 二 前号の規定に該当しない個人で課税時期においてこの法律の施行地にある財産を有するもの

 (課税財産の範囲)

第二条 前条第一号の規定に該当する者については、その者の有する財産の全部に対し、富裕税を課する。

2 前条第二号の規定に該当する者については、その者の有するこの法律の施行地にある財産に対し、富裕税を課する。

 (財産の所在)

第三条 左の各号に掲げる財産の所在については、当該各号に規定する場所による。

 一 動産若しくは不動産又は不動産の上に存する権利については、その動産又は不動産の所在。但し船舶については、船籍の所在

 二 鉱業権又は砂鉱権については、鉱区又は砂鉱区の所在

 三 漁業権又は入漁権については、漁場に最も近い沿岸の属する市町村又はこれに相当する行政区画

 四 金融機関に対する預金、貯金、積金又は寄託金で政令で定めるものについては、その預金、貯金、積金又は寄託金の受入をした営業所又は事業所の所在

 五 合同運用信託(信託会社又は信託業務を兼営する銀行が引き受けた金銭信託で共同しない多数の委託者の信託財産を合同して運用するものをいう。以下同じ。)に関する権利については、その信託の引受をした営業所の所在

 六 特許権、実用新案権、意匠権又は商標権については、その登録をした機関の所在

 七 前各号に掲げる財産を除く外、営業所又は事業所を有する者の当該営業所又は事業所に係る営業上又は事業上の権利については、その営業所又は事業所の所在

2 前項各号に掲げる財産以外の財産の所在については、権利者の住所(この法律の施行地に住 所を有せず、一年以上居所を有する者については、当該居所)の所在による。

 (信託財産及び信託に関する権利)

第四条 課税時期において現に存する信託については、その時における受益者が信託財産(合同 運用信託にあつては、信託に関する権利)を有するものとみなして、この法律を適用する。

2 前項の場合において、課税時期までに、元本若しくは収益の受益者がその元本若しくは収益 を全然受けていないとき又は受益者が特定していないとき若しくはまだ存在していないときは、委託者又はその相続人を受益者とみなす。

3 前二項の場合において、受益者が二人以上あるときは、これらの受益者が、それぞれその受 けるべき利益の価額の割合に応じて、信託財産又は信託に関する権利を有するものとみなす。

 (定期金給付契約及び生命保険契約に関する権利)

第五条 課税時期において現に存する郵便年金契約その他の定期金給付契約でその時までにまだ 定期金給付事由が発生していないもの又は課税時期において現に存する生命保険契約(一定期間内に保険事故が発生しなかつた場合において返還金その他これに準ずるものの支払 がない生命保険契約を除く。以下同じ。)でその時までにまだ保険事故が発生していないものについては、その掛金又は保険料の全部又は一部を負担している者がその掛金又は保 険料を負担している割合に応じて、その契約に関する権利を有するものとみなして、この法律を適用する。

2 前項に規定する定期金給付契約又は生命保険契約で左の各号の一に該当するものについて は、同項の規定にかかわらず、当該各号に規定する被雇用者がその契約に関する権利の全部を有するものとみなして、この法律を適用する。

 一 雇用者が契約者となり、被雇用者を年金受取人及び返還金受取人又は被保険者及び保険金 受取人としているもの

 二 雇用者が契約者となり、被雇用者を年金受取人又は被保険者とし、その親族を返還金受取 人又は保険金受取人としているもの

 三 雇用者が契約者となり、被雇用者を年金受取人又は被保険者とし、被雇用者が退職すると きは当該契約者の権利義務を無償で被雇用者が承継する旨を約しているもの

 (同居親族)

第六条 この法律において「同居親族」とは、課税時期において生計を一にする親族で左に掲げ る関係にあるものをいう。但し、その関係にある者が第一条第一号の規定に該当する者でない場合には、その者を除く。

 一 夫婦

 二 親と未成年の子(その子に配偶者又は子のない場合に限る。)

 三 祖父母と未成年の孫(その孫に配偶者又は子のない場合であつて、その孫に親のない場合 又はその孫と親が生計を一にしていない場合に限る。)

2 前項第二号及び第三号の場合において、その子又はその孫が養子である場合には、当該各号 中親とあるのは、養親とする。

3 第一項第二号及び第三号の場合において、その子又はその孫とその父又は母の配偶者又は配 偶者であつた者との間に親子の関係がない場合又はなかつた場合においても、その子又はその孫とこれらの者との間に親子の関係があり、又はあつたものとみなす。

4 前二項に規定するものの外、同居親族の範囲の決定に関し必要な事項は、政令で定める。

   第二章 課税価格及び税率

 (課税価格)

第七条 第一条第一号の規定に該当する者については、課税時期において有する財産の価額か ら、課税時期において現に存する債務(公租公課を含む。以下同じ。)の金額を控除した金額を課税価格とする。

2 第一条第一号の規定に該当する者で日本の国籍を有しないものについては、前項の規定にか かわらず、課税時期において有するこの法律の施行地にある財産の価額から、課税時期において現に存する債務で左に掲げるものの金額を控除した金額を課税価格とする。

 一 この法律の施行地において納付すべき公租公課

 二 課税時期においてこの法律の施行地にある財産を目的とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権で担保される債務

 三 前二号に掲げる債務を除く外、課税時期においてこの法律の施行地にある財産の取得、維持又は管理のために生じた債務

 四 前三号に掲げる債務を除く外、その者が課税時期においてこの法律の施行地に営業所又は事業所を有している場合においては、当該営業所又は事業所に係る営業上又は事業上の債務

 五 前四号に掲げる債務を除く外、課税時期においてこの法律の施行地に住所又は居所を有する個人に対する債務及び課税時期においてこの法律の施行地に営業所又は事業所を有する法人に対する債務で当該営業所又は事業所との間に生じたもの

3 同居親族については、前二項の規定により課税価格を計算する場合において、同居親族のうち、その債務の金額がその財産の価額を超過する者があるときは、前二項の規定にかかわらず、政令の定めるところにより、その超過額を他の一人又は数人の同居親族の課税価格から控除し、その控除後の金額を、それぞれその同居親族の課税価格とする。

4 第一条第二号の規定に該当する者については、課税時期において有するこの法律の施行地に ある財産の価額から、課税時期において現に存する債務で左に掲げるものの金額を控除した金額を課税価格とする。

 一 課税時期においてこの法律の施行地にある財産に係る公租公課

 二 第二項第二号から第四号までに掲げる債務

 (控除すべき債務)

第八条 前条の規定により課税価格を計算する場合において、その金額を控除すべき債務は、確実と認められるものに限る。

2 前条の規定により課税価格を計算する場合において、その金額を控除すべき公租公課の金額は、課税時期において債務の確定しているものの金額の外、当該課税時期を含む年における所得(所得税額計算の際当該所得に加算される前年以前の所得を含む。)、相続、贈与その他の行為及び附加価値につき所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)、相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)、資産再評価法(昭和二十五年法律第百十号)、砂糖消費税法(明治三十四年法律第十三号)、骨牌税法(明治三十五年法律第四十四号)、酒税法(昭和十五年法律第三十五号)、物品税法(昭和十五年法律第四十号)、揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)又は地方税法(昭和二十五年法律第   号)の規定により課せられるべき税額で政令で定めるものを含むものとする。

 (非課税財産)

第九条 左に掲げる財産の価額は、第七条の規定による課税価格の計算上、財産の価額に算入しない。

 一 皇室経済法(昭和二十二年法律第四号)第七条の規定により皇位とともに皇嗣が受ける物

 二 国又は地方公共団体若しくは政令で定めるその他の公共団体において公用又は公共の用に供する土地、家屋及び物件

 三 墓所、霊廟及び祭具並びにこれらに準ずるもの

 四 国宝保存法(昭和四年法律第十七号)又は史蹟名勝天然紀念物保存法(大正八年法律第四十四号)の規定により国宝又は史蹟、名勝若しくは天然紀念物として指定されたもの及び重要美術品等の保存に関する法律(昭和八年法律第四十三号)の規定により重要美術品として認定されたもの

 五 もつぱら学術の研究の用に供する書籍、標本及び機械器具

 六 生活に通常必要な家具、什器、衣服その他の動産で大蔵省令で定めるもの

2 前項第二号、第四号又は第五号に掲げる財産が、その所有者において当該財産から所得その他の経済的利益を得ているものである場合(その利益が著しく少くて大蔵省令で定める基準以下のものである場合を除く。)においては、当該財産の価額は、同項の規定にかかわらず、第七条の規定による課税価格の計算上、財産の価額に算入する。

3 第一項第四号に掲げる財産(前項の規定の適用を受ける財産を除く。)については、同一人の有するこれらの財産の価額の合計額(同居親族については、その有するこれらの財産の価額の合計額)が百万円をこえる場合においては、その百万円をこえる部分の価額は、第一項の規定にかかわらず、第七条の規定による課税価格の計算上、財産の価額に算入する。

4 第一項各号に掲げる財産の取得、維持又は管理のために生じた債務の金額(第二項の規定の適用を受ける財産に係るこれらの債務の金額及び前項の規定の適用を受ける財産に係るこれらの債務の金額のうち同項の規定により課税価格の計算上財産の価額に算入する部分の価額に対応する部分の金額を除く。)は、第七条の規定による課税価格の計算上、債務の金額に算入しない。

 (免税点)

第十条 富裕税は、課税価格が五百万円以下であるときは、これを課さない。

2 同居親族については、その課税価格を合算し、その総額について、前項の規定を適用する。

 (税率)

第十一条 富裕税は、課税価格を左の各級に区分し、逓次に各税率を適用して、これを課する。

   五百万円をこえる金額      千分の五

   千万円をこえる金額       千分の十

   二千万円をこえる金額      千分の二十

   五千万円をこえる金額      千分の三十

2 同居親族については、その課税価格を合算し、その総額について前項の規定を適用して算出した金額を、各々の課税価格に按分して、各々の税額を定める。

   第三章 財産の評価

 (評価の原則)

第十二条 この章で特別の定のあるものを除く外、課税時期における財産の価額は、その時にお ける時価により、課税時期における財産の価額から控除すべき債務の金額は、その時の現況による。

 (地上権及び永小作権の評価)

第十三条 地上権(借地法(大正十年法律第四十九号)に規定する借地権に該当するものを除く。以下同じ。)及び永小作権の価額は、その残存期間に応じ、その目的となつている土地の課税時期におけるこれらの権利が設定されていない場合の時価に、左に掲げる割合を乗じて算出した金額による。

  残存期間が十年以下のもの          百分の五

  残存期間が十年をこえ十五年以下のもの    百分の十

  残存期間が十五年をこえ二十年以下のもの   百分の二十

  残存期間が二十年をこえ二十五年以下のもの  百分の三十

  残存期間が二十五年をこえ三十年以下のもの及び地上権で存続期間の定のないもの

                        百分の四十

  残存期間が三十年をこえ三十五年以下のもの  百分の五十

  残存期間が三十五年をこえ四十年以下のもの  百分の六十

  残存期間が四十年をこえ四十五年以下のもの  百分の七十

  残存期間が四十五年をこえ五十年以下のもの  百分の八十

  残存期間が五十年をこえるもの        百分の九十

 (有価証券の評価)

第十四条 有価証券(証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項及び第二項に規 定する有価証券をいう。)の価額は、証券取引所に上場されているものについては、同法第百二十二条第二項の規定により公表されたその年十二月中の毎日の最終価格の平均額に よる。

 (定期金に関する権利の評価)

第十五条 課税時期において現に存する郵便年金契約その他の定期金給付契約でその時までに定 期金給付事由が発生しているものに関する権利の価額は、左に掲げる金額による。

 一 有期定期金については、その残存期間に応じ、その残存期間に受けるべき給付金額の総額 に、左に掲げる割合を乗じて算出した金額。但し、一年間に受けるべき金額の十五倍をこえることができない。

   残存期間が五年以下のもの    百分の七十

   残存期間が五年をこえ十年以下のもの

                   百分の六十

   残存期間が十年をこえ十五年以下のもの

                   百分の五十

   残存期間が十五年をこえ二十五年以下のもの

                   百分の四十

   残存期間が二十五年をこえ三十五年以下のもの

                   百分の三十

   残存期間が三十五年をこえるもの 百分の二十

 二 無期定期金については、その一年間に受けるべき金額の十五倍に相当する金額

 三 終身定期金については、その目的とされた者の課税時期における年令に応じ、一年間に受 けるべき金額に、左に掲げる倍数を乗じて算出した金額

   二十五歳以下の者         十一倍

   二十五歳をこえ四十歳以下の者    八倍

   四十歳をこえ五十歳以下の者     六倍

   五十歳をこえ六十歳以下の者     四倍

   六十歳をこえ七十歳以下の者     二倍

   七十歳をこえる者          一倍

2 前項に規定する定期金給付契約に関する権利で同項第三号の規定の適用を受けるものにつ き、その目的とされた者が課税時期後第十八条第一項から第三項までに規定する申告書の提出期限(同条第七項の規定の適用がある場合には、同項の規定により延長された期限) までに死亡し、その死亡に因りその給付が終了した場合においては、当該定期金給付契約に関する権利の価額は、前項第三号の規定にかかわらず、その権利者が課税時期後給付を 受けた又は受けるべき金額(当該権利者の遺族その他の第三者が当該権利者の死亡に因り給付を受けるときは、その給付を受けた又は受けるべき金額を含む。)による。

3 第一項に規定する定期金給付契約に関する権利で、その権利者に対し、一定期間、且つ、そ の目的とされた者の生存中、定期金を給付する契約に基くものの価額は、同項第一号に規定する有期定期金として算出した金額又は同項第三号に規定する終身定期金として算出し た金額のいずれか低い方の金額による。

4 第一項に規定する定期金給付契約に関する権利で、その目的とされた者の生存中定期金を給 付し、且つ、一定期間内にその者が死亡したときはその権利者又はその遺族その他の第三者に対し当該期間中継続して定期金を給付する契約に基くものの価額は、同項第一号に規 定する有期定期金として算出した金額又は同項第三号に規定する終身定期金として算出した金額のいずれか高い方の金額による。

5 前各項の規定は、恩給法(大正十二年法律第四十八号)の規定による恩給に関する権利その 他定期金に関する権利で契約に基くもの以外のものの価額の評価について準用する。

第十六条 課税時期において現に存する郵便年金契約その他の定期金給付契約でその時までに定 期金給付事由が発生していないものに関する権利の価額は、その掛金の払込開始の時から課税時期までの経過期間に応じ、課税時期までに払い込まれた掛金の合計金額に、左に掲 げる割合を乗じて算出した金額による。

   経過期間が五年以下のもの        百分の九十

   経過期間が五年をこえ十年以下のもの   百分の百

   経過期間が十年をこえ十五年以下のもの  百分の百十

   経過期間が十五年をこえるもの      百分の百二十

 (生命保険契約に関する権利の評価)

第十七条 課税時期において現に存する生命保険契約でその時までに保険事故の発生していない ものに関する権利の価額は、課税時期までに払い込まれた保険料の合計金額(課税時期までに保険料の払込期日の到来していない部分を除く。)に百分の七十の割合を乗じて算出 した金額から、保険金額に百分の二の割合を乗じて算出した金額を控除した金額による。但し、保険料の全額が一時に払い込まれた生命保険契約に関する権利の価額は、払込保険 料の全額に相当する金額による。

   第四章 申告及び納付

 (申告)

第十八条 第一条の規定に該当する者は、課税価格が五百万円をこえる場合(同居親族について は、その課税価格を合算した金額が五百万円をこえる場合)においては、翌年二月一日から同月末日までに、課税価格、富裕税額その他政令で定める事項を記載した申告書を、納 税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

2 課税時期を含む年において相続に因り財産又は債務を承継した者が、当該財産の価額又は債 務の金額をその課税価格計算の基礎に算入しないで前項の規定に該当する者である場合において、その年十一月一日から同項の申告書の提出期限までに当該相続の開始があつたこ とを知り、且つ、当該財産の価額又は債務の金額をその課税価格計算の基礎に算入した場合においてなお同項の規定に該当する者であるときは、その者(その者に同居親族がある ときは、その同居親族を含む。)は、当該相続の開始があつたことを知つた日の翌日から四月以内に、同項の規定により政令で定める事項を記載した申告書を、納税地の所轄税務 署長に提出しなければならない。

3 課税時期を含む年において相続に因り財産又は債務を承継した者が、当該財産の価額又は債 務の金額をその課税価格計算の基礎に算入することに因り第一項の規定に該当する者となつた場合において、その年十一月一日以後当該相続の開始があつたことを知つたときは、 その者(その者に同居親族があるときは、その同居親族を含む。)は、当該相続の開始があつたことを知つた日の翌日から四月以内に、第一項の規定により政令で定める事項を記 載した申告書を、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

4 第一項の規定に該当する者が課税時期後申告書の提出前に死亡した場合においては、その相 続人は、その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から四月以内に、被相続人に係る富裕税について申告書を被相続人の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。こ の場合における申告書の記載事項、相続人が二人以上ある場合の申告の要領その他必要な事項については、政令で定める。

5 同居親族のうち第一項の規定に該当する者が二人以上ある場合においては、前四項の規定に よる申告書に第一項又は前項の規定により政令で定める事項を各別に区分して記載し、これを連署で提出しなければならない。但し、他の同居親族の氏名を附記して、各別に提出 することを妨げない。

6 前項の規定の適用については、第四項に規定する相続人相互及び当該相続人とその被相続人 の同居親族との関係については、これを互に他の同居親族とみなす。

7 通信、交通その他やむを得ない事由に因り、第一項から第四項までに規定する申告書の提出 期限内に当該各項の規定による申告書を提出することができない者については、政令の定めるところにより、国税庁長官又は税務署長は、その期限を延長することができる。

8 第二項から第四項までの規定は、当該各項に規定する申告書の提出期限前に第二十四条の規 定による決定の通知があつた場合には、適用しない。

9 第一項の規定に該当する者又は第四項に規定する相続人は、第一項から第四項までに規定す る申告書の提出期限(第七項の規定の適用がある場合には、同項の規定により延長された期限。以下「申告書の提出期限」という。)後においても、第二十四条の規定による決定 の通知があるまでは、第一項又は第四項の規定により政令で定める事項を記載した申告書を、納税地又は被相続人の納税地の所轄税務署長に提出することができる。第五項及び第 六項の規定は、この場合における申告書の提出について準用する。

10 第一項から第四項までの規定による申告書を「期限内申告書」といい、前項の規定による 申告書を「期限後申告書」という。

 (修正申告)

第十九条 期限内申告書又は期限後申告書を提出した者は、当該申告に係る課税価格又は富裕税 額に不足額があるときは、第二十四条の規定による更正の通知があるまでは、当該申告に係る課税価格又は富裕税額について修正すべき事項その他政令で定める事項を記載した申 告書を、先に申告書を提出した税務署長に提出することができる。

2 第二十三条の規定による更正又は決定を受けた者は、当該更正又は決定に係る課税価格又は 富裕税額に不足額があるときは、当該更正又は決定に係る課税価格又は富裕税額について修正すべき事項その他政令で定める事項を記載した申告書を、当該更正又は決定をした税 務署長に提出することができる。

3 前二項の規定による申告書(この申告書を「修正申告書」という。)を提出することができ る者が死亡した場合においては、その者の相続人は、その被相続人に係る富裕税について、修正申告書を提出することができる。

 (更正の請求)

第二十条 期限内申告書又は当該申告書に係る修正申告書を提出した者は、当該申告に係る課税 価格若しくは富裕税額又は当該修正申告に因り増加した課税価格若しくは富裕税額が過大であることを知つたときは、当該申告書の提出期限又は当該修正申告書を提出した日から 一月以内に限り、当該申告書又は修正申告書を提出した税務署長に対し、その課税価格又は富裕税額につき第二十三条第一項の規定による更正をすべき旨の請求をすることができ る。

2 期限内申告書を提出した者は、当該申告書を提出した後、当該申告書に係る課税時期を含む 年において相続の開始があつたことを知り、且つ、当該相続に因り承継した財産の価額又は債務の金額をその課税価格計算の基礎に算入することに因り当該申告に係る課税価格又 は富裕税額(当該申告書を提出した後修正申告書を提出した場合又は第二十三条第一項若しくは第四項の規定による更正があつた場合には、当該修正申告又は更正に係る課税価格 又は富裕税額)が過大となつたときは、当該相続の開始があつたことを知つた日の翌日から四月以内に限り、当該申告書を提出した税務署長に対し、その課税価格又は富裕税額に つき第二十三条第一項又は第四項の規定による更正をすべき旨の請求をすることができる。

3 前二項の規定による更正の請求をしようとする者は、当該更正の目的となる課税価格又は富 裕税額、その請求しようとする更正後の課税価格又は富裕税額、当該更正の請求をする理由その他政令で定める事項を記載した書類を、税務署長に提出しなければならない。

4 税務署長は、第一項又は第二項の規定による更正の請求があつた場合においては、当該請求 に係る課税価格又は富裕税額の更正をすべきか否かを調査し、その調査に基き、これを更正し、又はその請求の理由がない旨を当該請求をした者に通知する。

5 この法律の施行地に住所及び居所を有しない者が第三十九条に規定する納税管理人の申告を していないときは、前項の通知に代え、官報に掲載して公告をすることができる。この場合においては、公告の初日から七日を経過した日において同項の通知があつたものとみな す。

6 第一項又は第二項の規定による更正の請求があつた場合においても、税務署長は、税金の徴 収を猶予しない。但し、税務署長において相当の事由があると認めたときは、税金の全部又は一部の徴収を猶予することができる。

7 第十八条第四項前段及び第七項の規定は、第一項又は第二項の規定による更正の請求につい て準用する。

 (納付)

第二十一条 期限内申告書を提出した者は、当該申告書に記載した富裕税額に相当する富裕税 を、申告書の提出期限までに、国に納付しなければならない。

2 期限後申告書を提出した者は、当該申告書に記載した富裕税額に相当する富裕税を、当該申 告書を提出した日に、国に納付しなければならない。

3 修正申告書を提出した者は、当該修正申告に因り増加した富裕税額に相当する富裕税を、当 該修正申告書を提出した日に、国に納付しなければならない。

4 第十八条第四項の規定に該当する場合において、相続人が二人以上あるときは、当該相続人 が同項又は同条第九項の規定による申告書に記載し、第一項又は第二項の規定により納付すべき富裕税額は、相続に因り各相続人が受ける利益の価額に按分して計算した額とす る。

5 第一項から第三項までの規定により富裕税を納付すべき者が第一項に規定する納期限まで に、又は第二項若しくは第三項に規定する納付の期日に富裕税を完納しなかつたときは、税務署長は、国税徴収法(明治三十年法律第二十一号)第九条の規定により、これを督促 する。

6 第一項から第三項までの規定による富裕税の納付の手続については、政令で定める。

 (連帯納付の義務)

第二十二条 同居親族は、互に他の同居親族の納付すべき富裕税について、連帯納付の責に任ず る。第十八条第六項の規定は、この場合について準用する。

2 富裕税の課税価格計算の基礎となつた財産につき、贈与、遺贈又は寄附行為に因る移転があ つた場合においては、当該贈与若しくは遺贈を受けた者又は当該寄附行為に因り設立された法人は、その受けた利益の価額の限度において、当該行為のあつた日を含む年の前年分 の富裕税について、連帯納付の責に任ずる。

   第五章 更正及び決定

 (更正及び決定)

第二十三条 税務署長は、期限内申告書、期限後申告書又は修正申告書の提出があつた場合にお いて、当該申告又は修正申告に係る課税価格又は富裕税額がその調査したところと異なるときは、その調査により、課税価格又は富裕税額を更正する。

2 税務署長は、第十八条第一項の規定に該当すると認められる者が申告書を提出していない場 合においては、その調査により、その課税価格及び富裕税額を決定する。

3 税務署長は、第十八条第一項に規定する申告書の提出期限(同条第七項の規定の適用がある 場合には、同項の規定により延長された期限)後においては、同条第二項から第四項までの規定に該当する場合においても、前項の決定をすることができる。

4 税務署長は、課税価格又は富裕税額の更正又は決定後その更正又は決定に係る課税価格又は 富裕税額について過不足額があることを知つたときは、その調査により、その課税価格又は富裕税額を更正することができる。

5 前四項の場合において、国税庁又は国税局の当該職員の調査があつたときは、税務署長は、 当該調査に基き、前四項の規定による課税価格又は富裕税額の更正又は決定をすることができる。

 (通知)

第二十四条 税務署長は、前条の規定により課税価格又は富裕税額を更正し、又は決定したとき は、その理由、第三十三条第三項の規定により徴収すべき利子税額及び前条第五項の規定に該当する場合にはその旨を附記した書面により、これを納税義務者に通知する。

2 第二十条第五項の規定は、前項の場合について準用する。

 (追徴税額の徴収)

第二十五条 税務署長は、第二十三条の規定により課税価格又は富裕税額を更正し、又は決定し た場合においては、前条の通知をした日から一月後を納期限として、その追徴税額(その不足税額又はその決定に係る税額をいう。以下同じ。)を徴収する。

   第六章 再調査、審査及び訴訟

 (再調査)

第二十六条 第二十四条又は第三十四条第五項(第三十五条第四項において準用する場合を含 む。)の規定による通知を受けた者は、その通知を受けた課税価格、富裕税額若しくは利子税額又は過少申告加算税額、無申告加算税額若しくは重加算税額に対して異議があると きは、これらの通知を受けた日から一月以内に、政令の定めるところにより、不服の事由を記載した書面をもつて、当該通知をした税務署長に対し、再調査の請求をすることがで きる。但し、当該通知に係る事項に関する調査が国税庁又は国税局の当該職員によつてなされた旨の記載がある書面により当該通知を受けた者については、この限りでない。

2 第十八条第七項及び第二十条第六項の規定は、前項の場合について、準用する。

3 前二項の規定は、第二十条第四項又は第三十八条第二項の規定による通知を受けた者が当該 通知に係る事項に対して異議がある場合について準用する。

4 税務署長は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定による再調査の請求(以 下「再調査の請求」という。)があつた場合において、当該請求の方式又は手続に欠陥があるときは、相当の期間を定めて、その欠陥を補正させることができる。

5 税務署長は、再調査の請求があつた場合において、左の各号の一に該当するときは、当該各 号に定める決定をし、その理由を附記した書面により、これを当該請求をした者に通知しなければならない。

 一 再調査の請求が第一項の期間経過後になされたとき又は前項の規定により欠陥の補正を求 めた場合においてその欠陥が補正されなかつたときは、当該請求を却下する決定

 二 再調査の請求の全部についてその理由がないと認めるときは、当該請求を棄却する決定

 三 再調査の請求の全部又は一部についてその理由があると認めるときは、再調査の請求の目 的となつた処分の全部又は一部を取り消す決定

6 第二十条第五項の規定は、前項の場合について準用する。

 (審査)

第二十七条 前条第一項但書(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定に該当する者 又は同条第五項の規定による通知を受けた者は、同条第一項若しくは第三項に規定する通知に係る事項又は同条第五項の規定による決定(以下「再調査の決定」という。)に対し て異議があるときは、同条第一項若しくは第三項に規定する通知又は同条第五項の規定による通知を受けた日から一月以内に、政令の定めるところにより、不服の事由を記載した 書面をもつて、当該通知をした税務署長を経由し、国税庁長官又は国税局長に対し、審査の請求をすることができる。この場合において、当該審査の請求が再調査の決定に対する ものであるときは、当該再調査の目的となつた処分に対する審査の請求があわせてなされたものとみなす。

2 第十八条第七項及び第二十条第六項の規定は、前項の場合について準用する。

3 再調査の請求があつた場合において、左の各号の一に該当するときは、各々当該各号に規定 する日において、当該各号に規定する税務署長の管轄区域を所轄する国税局長に対し、第一項の規定による審査の請求(以下「審査の請求」という。)があつたものとみなす。

 一 税務署長において再調査の請求を審査の請求として取り扱うことを適当と認め、且つ、再 調査の請求をした者がこれに同意したときは、当該同意のあつた日

 二 再調査の請求があつた日から三月以内に前条第五項の規定による通知がなされず、且つ、 再調査の請求をした者が当該請求を審査の請求として取り扱うことを税務署長に申し出たときは、当該申出のあつた日

4 前条第四項の規定は、審査の請求があつた場合について、準用する。

5 国税庁長官又は国税局長は、審査の請求があつた場合において、左の各号の一に該当すると きは、当該各号に定める決定をし、その理由を附記した書面により、これを当該請求をした者(第三項の再調査の請求をした者を含む。)に通知しなければならない。この場合に おいて、第一項後段の規定により再調査の目的となつた処分に対する審査の請求があわせてなされたものとみなされる場合には、第二号又は第三号の規定による決定は、その各々 の請求についてしなければならない。

 一 審査の請求が第一項の期間経過後になされたとき又は前項において準用する前条第四項の 規定により欠陥の補正を求めた場合において、その欠陥が補正されなかつたときは、当該請求を却下する決定

 二 審査の請求の全部についてその理由がないと認めるときは、当該請求を棄却する決定

 三 審査の請求の全部又は一部についてその理由があると認めるときは、審査の請求の目的と なつた処分の全部又は一部を取り消す決定

6 国税庁長官又は国税局長が、前条第五項第一号の規定による再調査の決定に対する審査の請 求について前項第二号の規定による決定をしたときは、同項後段の規定にかかわらず、第一項後段の規定によりあわせてなされたものとみなされた再調査の目的となつた処分に対 する審査の請求は、棄却されたものとみなす。

7 国税庁長官又は国税局長は、第五項第二号又は第三号の規定による決定をする場合(当該決 定が第三十八条第二項に規定する事項に係るものである場合を除く。)においては、国税庁又は国税局に所属する協議団の協議を経なければならない。

8 第二十条第五項の規定は、第五項の場合について、準用する。

9 第七項に規定する協議団に関し必要な事項は、政令で定める。

 (訴願法の不適用)

第二十八条 再調査の請求又は審査の請求の目的となる処分に関する事件については、訴願法 (明治二十三年法律第百五号)の規定は、適用しない。

 (訴訟)

第二十九条 再調査の請求又は審査の請求の目的となる処分の取消又は変更を求める訴は、第二 十七条第五項の規定による決定(以下「審査の決定」という。)を経た後でなければ、提起することができない。但し、再調査の請求があつた日から六月を経過して、なお再調査 の決定の通知がないとき、審査の請求があつた日から三月を経過したとき又は再調査の決定若しくは審査の決定を経ることに因り著しい損害を生ずる虞のあるときその他正当な事 由があるときは、再調査の決定又は審査の決定を経ないで、訴を提起することができる。

2 再調査の請求若しくは審査の請求の目的となる処分又は審査の決定の取消又は変更を求める 訴は、前項但書の場合を除く外、行政事件訴訟特例法(昭和二十三年法律第八十一号)第五条第一項又は第四項の規定にかかわらず、審査の決定の通知を受けた日から三月以内 に、提起しなければならない。

3 第一項但書の規定により再調査の請求があつた日から六月を経過した後に当該再調査の目的 となつた処分の取消又は変更を求める訴を提起する場合においては、当該再調査の請求があつた日から九月以内に、当該訴を提起しなければならない。

4 前二項の期間は、不変期間とする。

5 第二項に規定する訴が提起された場合においては、国税庁又は国税局の職員は、国の利害に 関係のある訴訟についての法務総裁の権限等に関する法律(昭和二十二年法律第百九十四号)第五条第一項の規定の適用については、当事者又は参加人となつた税務署長又は国税 局長の所部の職員とみなす。

6 第一項但書の規定により訴が提起された場合においても、再調査の請求又は審査の請求がな されている場合には、これらの請求に対して決定をすることを妨げない。

 (証拠申出の順序)

第三十条 前条第二項に規定する訴においては、裁判所が相手方当事者となつた国税庁長官、国 税局長又は税務署長の主張を合理的と認めたときは、当該訴を提起した者がまず証拠の申出をし、その後に相手方当事者が証拠の申出をするものとする。

2 相手方当事者は、前項の規定にかかわらず、随時証拠の申出をすることができる。

   第七章 雑則

 (申告書の公示)

第三十一条 税務署長は、申告書の提出があつたときは、当該申告書の記載に従い、納税義務者 の氏名、第三十八条に規定する納税地及び課税価格を、当該申告書を提出した日から四月以内に、少くとも一月間公示しなければならない。

 (第三者通報)

第三十二条 納税義務があると認められる者が申告書を提出しなかつた事実又は課税価格若しく は富裕税額に不足額があると認められる事実を、政令の定めるところにより、国税庁長官又は国税局長に報告した者がある場合において、税務署長がその報告に因つて課税価格又 は富裕税額を決定し、又は更正したときは、国税局長は、その報告者に対し、その報告が当該決定又は更正に寄与した程度等に応じ、当該決定又は更正に因り徴収することができ た富裕税額(利子税額、過少申告加算税額、無申告加算税額及び重加算税額を除く。)の百分の十以下に相当する金額を報償金として交付することかできる。但し、報償金の金額 は、五十万円をこえることができない。

2 前項の規定は、その報告が不法の行為に因り知り得た事実又は国若しくは地方公共団体の職 員がその職務の遂行に伴い知り得た事実に基くものであるときは、適用しない。

 (利子税額)

第三十三条 左の各号の一に該当する場合においては、当該各号に規定する申告書又は修正申告 書を提出した者は、当該各号に掲げる富裕税額については、当該各号に掲げる日数に応じ、当該税額百円につき一日四銭の割合を乗じて算出した金額に相当する利子税額をあわせ て納付しなければならない。

 一 第十八条第四項に規定する相続人が同項の規定による期限内申告書を提出した場合におい て、その被相続人が申告書の提出期限後に死亡していたときは、当該申告に係る富裕税額について、当該申告書の提出期限の翌日から当該被相続人の死亡の日までの日数

 二 期限内申告書を提出した者が第二十一条第一項に規定する納期限までに富裕税を完納しな かつた揚合においては、その未納に係る富裕税額について、当該納期限の翌日からその納付の日までの日数

 三 期限後申告書又は修正申告書を提出した場合においては、当該申告に係る富裕税額又は当 該修正申告に因り増加した富裕税額について、第二十一条第一項に規定する納期限の翌日からその納付の日までの日数

2 左の各号の一に該当する場合においては、利子税額計算の基礎となるべき日数は、前項第三 号の規定にかかわらず、当該各号に掲げる日数による。

 一 第十八条第四項に規定する相続人がその被相続人に係る富裕税について期限後申告書を提 出した場合(当該相続人が当該申告書を提出した後修正申告書を提出した場合を含む。)において、当該被相続人が申告書の提出期限後に死亡していたときは、前項第三号に掲げ る日数と申告書の提出期限の翌日から当該被相続人の死亡の日までの日数との合計日数

 二 期限内申告書を提出した者が当該申告書を提出した後、当該申告書に係る課税時期を含む 年において相続の開始があつたことを知り、且つ、当該相続に因り承継した財産の価額又は債務の金額をその課税価格計算の基礎に算入することに因り当該年分の富裕税として納 付した又は納付すべき富裕税額に不足額が生じたため修正申告書を提出した場合においては、当該相続の開始があつたことを知つた日の翌日から四月を経過した日から当該修正申 告に因り増加した富裕税額の納付の日までの日数

3 税務署長は、第二十五条の規定による追徴税額を徴収する場合においては、当該追徴税額に ついては、第二十一条第一項に規定する納期限の翌日からその納付の日までの日数に応じ、当該税額百円につき一日四銭の割合を乗じて算出した金額に相当する利子税額をあわせ て徴収する。但し、左の各号の一に該当する場合においては、利子税額計算の基礎となるべき日数は、当該各号に掲げる日数による。

 一 第十八条第四項に規定する相続人の被相続人が申告書の提出期限後に死亡していた場合に おいて、当該被相続人に係る富裕税について、第二十三条の規定による更正又は決定があつたときは、本文に規定する日数と申告書の提出期限の翌日から当該被相続人の死亡の日 までの日数との合計日数

 二 期限内申告書の提出があつた場合において、前項第二号に規定する事由に因る富裕税額の 不足額について、第二十三条第一項又は第四項の規定による更正があつたときは、当該申告書を提出した者が前項第二号に規定する相続の開始があつたことを知つた日の翌日から 四月を経過した日から当該更正に係る第二十五条の規定による追徴税額の納付の日までの日数

4 第一項及び前項の場合において、納税義務者が第一項各号に掲げる富裕税額又は前項に規定 する追徴税額の一部を納付したときは、その納付の日の翌日以後の期間に係る利子税額計算の基礎となる税額は、第一項各号に掲げる富裕税額又は前項に規定する追徴税額からそ の一部納付に係る税額を控除した税額による。

5 第一項及び第三項の規定は、利子税額計算の基礎となる富裕税額又は追徴税額が千円未満で あるときは、適用しない。当該税額に千円未満の端数があるときは、これを切り捨てて計算する。

6 前五項の規定により計算した利子税額が百円未満であるときは、これを納付することを要し ない。

7 第一項第二号の規定に該当する場合及び同項第三号の規定に該当する場合で同号に規定する 期限後申告書又は修正申告書を提出した者が第二十一条第二項又は第三項に規定する納付の期日に利子税額を完納しなかつた場合においては、税務署長は、国税徴収法第九条の規 定により、その納付すべき利子税額の納付を督促する。

8 納税義務者が第一項の規定により利子税額をあわせて納付すべき場合又は第三項の規定によ り利子税額をあわせて徴収される場合において、当該納税義務者が納付した税額が第二十一条第一項から第三項までの規定により納付すべき富裕税額又は第二十五条の規定により 徴収される追徴税額に達するまでは、その納付した税額は、これらの規定により納付すべき富裕税額又は徴収される追徴税額に充てられたものとする。但し、国税徴収法第二十八 条の規定の適用を妨げない。

 (過少申告加算税額及び無申告加算税額)

第三十四条 期限内申告書の提出があつた場合において、第二十三条第一項若しくは第四項の規 定による更正があつたとき又は修正申告書の提出があつたときは、税務署長は、当該更正又は修正申告前の申告又は修正申告に係る課税価格又は富裕税額に誤があつたことについ て正当な事由がないと認める場合には、当該更正に係る第二十五条の規定による追徴税額又は当該修正申告に因り増加した富裕税額に百分の五の割合を乗じて算出した金額に相当 する過少申告加算税額を徴収する。

2 左の各号の一に該当する場合においては、税務署長は、第一号及び第三号の場合にあつては 期限内申告書の提出がなかつたことについて、第二号及び第四号の場合にあつては更正又は修正申告前の申告又は修正申告に係る課税価格又は富裕税額に誤があつたことについて 正当な事由がないと認める場合には、当該各号に掲げる富裕税額に、当該各号に掲げる期間に応じ、その期間が一月以内のときは百分の十の割合、一月をこえ二月以内のときは百 分の十五の割合、二月をこえ三月以内のときは百分の二十の割合、三月をこえるときは百分の二十五の割合を乗じて算出した金額に相当する無申告加算税額を徴収する。

 一 期限後申告書の提出があつた場合においては、当該申告に係る富裕税額について、申告書 の提出期限の翌日から当該申告書の提出の日までの期間

 二 前号の規定に該当する場合において、第二十三条第一項若しくは第四項の規定による更正 があつたとき又は修正申告書の提出があつたときは、当該更正に係る第二十五条の規定による追徴税額又は当該修正申告に因り増加した富裕税額について、前号に掲げる期間

 三 第二十三条第二項の規定による決定があつた場合においては、当該決定に係る第二十五条 の規定による追徴税額について、申告書の提出期限の翌日から当該決定に係る第二十四条の規定による通知の日までの期間

 四 前号の規定に該当する場合において、第二十三条第一項若しくは第四項の規定による更正 があつたとき又は修正申告書の提出があつたときは、当該更正に係る第二十五条の規定による追徴税額又は当該修正申告に因り増加した富裕税額について、申告書の提出期限の翌 日から当該更正に係る第二十四条の規定による通知の日又は当該修正申告書の提出の日までの期間

3 期限後申告書又は修正申告書の提出があつた場合において、その提出が、当該申告書又は修 正申告書を提出した納税義務者に係る当該職員の調査に因り第二十三条の規定による決定又は更正があるべきことを予知してなされたものでなかつたときは、税務署長は、当該修 正申告に因り増加した富裕税額に係る過少申告加算税額又は当該申告に係る富裕税額若しくは当該修正申告に因り増加した富裕税額に百分の五の割合を乗じて算出した金額に相当 する無申告加算税額を徴収しない。

4 前条第五項及び第六項の規定は、過少申告加算税額又は無申告加算税額を徴収する場合につ いて準用する。

5 税務署長は、過少申告加算税額又は無申告加算税額を決定したときは、これを納税義務者に 通知する。

6 第二十条第五項の規定は、前項の場合について準用する。

 (重加算税額)

第三十五条 前条第一項の規定に該当する場合において、納税義務者が課税価格計算の基礎とな るべき財産又は債務を隠ぺいし,又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基いて期限内申告書又は修正申告書を提出していたときは、税務署長は、同項の過少申告加算 税額に代え、過少申告加算税額計算の基礎となるべき追徴税額又は富裕税額に百分の五十の割合を乗じて算出した金額に相当する重加算税額を徴収する。

2 前条第二項の規定に該当する場合において、左の各号の一に該当する事由があるときは、税 務署長は、無申告加算税額の外、同項各号に掲げる富裕税額に百分の五十の割合を乗じて算出した金額に相当する重加算税額を徴収する。

 一 前条第二項第一号又は第三号の規定に該当する場合においては、納税義務者が課税価格計 算の基礎となるべき財産又は債務を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基いて期限内申告書を提出しなかつたこと。

 二 前条第二項第二号の規定に該当する場合においては、納税義務者が課税価格計算の基礎と なるべき財産又は債務を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基いて期限後申告書又は修正申告書を提出したこと。

 三 前条第二項第四号の規定に該当する場合においては、納税義務者が課税価格計算の基礎と なるべき財産又は債務を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基いて期限内申告書を提出せず、又は修正申告書を提出したこと。

3 前二項の規定に該当する場合において、期限後申告書又は修正申告書の提出について前条第 三項に規定する事由があるときは、税務署長は、当該申告に係る富裕税額又は当該修正申告に因り増加した富裕税額に係る重加算税額を徴収しない。

4 前条第四項から第六項までの規定は、第一項及び第二項の場合について準用する。

 (調書の提出)

第三十六条 左の各号に掲げる者でこの法律の施行地に本店又は主たる事務所を有するものは、 課税時期の現況により大蔵省令で定める様式に従つて作製した当該各号に掲げる調書を、翌年一月末日までに、当該調書を作製した営業所、事業所等の所在地の所轄税務署長に提 出しなければならない。但し、当該各号に掲げる各人別、債権者別又は受益者別の財産の価額又は債務の金額が大蔵省令で定める額に達しないもの並びに国、地方公共団体その他 法人の所有に属する財産及びこれらの者に対する債務は、当該調書に記載することを要しない。

 一 法人 その株式又は出資に関する各人別の調書及びその債務に関する債権者別の調書

 二 信託会社 (信託業務を兼営する銀行を含む。)信託財産又は信託に関する権利に関する 受益者別の調書

 三 生命保険会杜及び無尽会社 払い込まれた生命保険料又は無尽掛金に関する各人別の調書

 四 信託会社及び保険会社以外の金融機関 預金、貯金、積金又は寄託金で政令で定めるもの に関する各人別の調書

2 前項各号に掲げる者は、富裕税の納税義務者又は納税義務があると認められる者の納税地の 所轄税務署長の請求があつた場合においては、これらの者の財産又は債務について当該請求に係る調書を作製して提出しなければならない。

 (当該職員の質問検査権)

第三十七条 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、富裕税に関する調査について必要がある ときは、左の各号に掲げる者に質問し、又は第一号に掲げる者の財産若しくはその財産に関する帳簿書類を検査することができる。

 一 納税義務者又は納税義務があると認められる者

 二 前条の規定による調書を提出した者又はその調書を提出する義務がある者

 三 納税義務者又は納税義務があると認められる者に対し、債権若しくは債務を有していたと 認められる者又は債権若しくは債務を有すると認められる者

 四 納税義務者又は納税義務があると認められる者が株主若しくは出資者であつたと認められ る法人又は株主若しくは出資者であると認められる法人

 五 納税義務者又は納税義務があると認められる者に対し、財産を譲渡したと認められる者又 は財産を譲渡する義務があると認められる者

 六 納税義務者又は納税義務があると認められる者から、財産を譲り受けたと認められる者又 は財産を譲り受ける権利があると認められる者

 七 納税義務者又は納税義務があると認められる者の財産を保管したと認められる者又はその 財産を保管すると認められる者

2 当該職員は、前項の規定による質問又は検査をする場合においては、その身分を示す証票を 携帯し、利害関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。

3 第一項の規定による質間又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはな らない。

 (納税地)

第三十八条 富裕税は、第一条第一号の規定に該当する者については、この法律の施行地にある 住所地(この法律の施行地に住所がないときは、居所地)をもつて、その納税地とする。但し、住所地の所轄税務署長及び居所地の所轄税務署長に申告してその居所地をもつて、納税地とすることができる。

2 第一条第二号の規定に該当する者は、納税地を定めて、納税地の所轄税務署長に申告しなければならない。その申告がないときは、国税庁長官がその納税地を指定し、これを通知する。

3 第一項但書の規定は、前項の規定による納税地の申告又は指定があつた場合においては、そ の変更について旧納税地の所轄税務署長及び新納税地の所轄税務署長に対して申告がない限り、当該納税地をもつて、翌年以後の富裕税に関する納税地とする。

 (納税管理人)

第三十九条 第一条第二号の規定に該当する者は、申告書の提出その他富裕税に関する一切の事 項を処理させるため、この法律の施行地に住所を有する者のうちから納税管理人を定め、納税地の所轄税務署長にその氏名及び住所を申告しなければならない。第一条第一号の規定に該当する者がこの法律の施行地に住所及び居所を有しないこととなるときも、また同様とする。

2 前項の規定により申告した納税管理人は、その変更について納税地の所轄税務署長に対して 申告がない限り、その者をもつて、翌年以後の富裕税に関する納税管理人とする。

 (同族会社の行為又は計算の否認)

第四十条 同族会社の行為又は計算で、これを容認した場合においてはその株主若しくは社員又 はその親族その他これらの者と政令で定める特殊の関係がある者の富裕税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがある場合においては、税務署長は、第二十三条の規定による更正又は決定に際し、その行為又は計算にかかわらず、その認めるところにより、課税価格を計算することができる。

2 前項の「同族会社」とは、法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)第七条の二に規定する同族会社をいう。

 (附加税の禁止)

第四十一条 地方公共団体は、富裕税の附加税を課することができない。

   第八章 罰則

第四十二条 詐偽その他不正の行為により富裕税を免れた者は、三年以下の懲役若しくは五百万 円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2 前項の免れた富裕税額が五百万円をこえるときは、情状に因り、同項の罰金は、五百万円をこえその免れた富裕税額に相当する金額以下とすることができる。

3 第一項の場合においては、税務署長は、直ちに、その免れた富裕税を徴収する。

第四十三条 正当の事由がなくて期限内申告書をその提出期限内に提出しなかつた者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。但し、情状に因り、その刑を免除することができる。

第四十四条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 一 第三十六条の規定による調書を提出せず、又はその調書に虚偽の記載をして提出した者

 二 第三十七条の規定による財産又はその財産に関する帳簿書類の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

 三 前号の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者

 四 第三十七条の規定による質問に対し答弁をしない者

 五 前号の質間に対し虚偽の答弁をした者

第四十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又 は人の業務又は財産に関して第四十二条第一項、第四十三条又は前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。

第四十六条 富裕税に関する調査に関する事務に従事している者又は従事していた者が、その事 務に関して知り得た秘密を漏らし、又は窃用したときは、これを二年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。

第四十七条 他人の富裕税について、国税庁長官又は国税局長に対し、第三十二条第一項に規定 する事実に関する虚偽の報告をした者は、三年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。

第四十八条 第四十二条第一項の罪を犯した者には、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四十 八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 この法律は、本州、北海道、四国、九州及びその附属の島(政令で定める地域を除く。) に、施行する。

(大蔵・内閣総理大臣署名) 

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