国立国会図書館から引用

現情勢下ニ於ケル疎開応急措置要綱

昭和20年4月20日 閣議決定

第一 方針
 疎開ノ真義ハ国土防衛体制及必勝生産体制ヲ確立スルニ在ル所以ヲ此ノ際更ニ徹底スルト共ニ一層秩序的ニ疎開ノ進行ヲ図リ其ノ目標ヲ完成セシムルモノトス
第二 要領
一、防空重要都市
疎開ハ京浜、名古屋、阪神等防空重要都市ニ就キ先ヅ重点的ニ実施スルモノトス
 (1) 人員疎開
  人員疎開ニ付テハ(一)老幼姙産婦病弱者(介護者ヲ含ム)(二)疎開施設随伴者(地方転勤者ヲ含ム)(三)集団疎開者(四)前各号以外ノ罹災者及強制疎開立退者(但シ離職者)ヲ先ヅ優先的ニ疎開セシムルモノトシ右以外ノ者ノ疎開ハ当分ノ間之ヲ認メザルモノトス
 尚罹災者及強制疎開立退者ニ付テハ一定期間内ニ限リ最優先セシム
 (2) 施設疎開
 官公ノ諸機関ハ特ニ内閣又ハ主務省ニ於テ決定指示スルモノノ外疎開セザルモノトス
 会社、団体等モ右ニ準ジ特ニ主務官庁ノ指示アルモノノ外ハ疎開セシメザルモノトス
 工場及事業場ハ今後他ノ施設ニ優先シテ疎開シ又ハ堅牢建築等ニ移転セシムルモノトス 但シ之ガ実施ハ生産防衛対策本都(地方機構ヲ含ム)ノ指示ニ依ラシム
 (3) 送出及受入地域間ノ連繋
  疎開ノ送出及受入地域ノ連繋ニ付テハ概ネ都市疎開者ノ就農ニ関スル緊急措置要綱(三月三十日閣議決定)ノ例ニ依ルモノトシ行政協議会ヲ中心トシテ作戦上ノ要求、住宅、食糧、輸送、等ノ事情ヲ勘案シ関係都道府県緊密ニ連絡措置セシムルモノトス
 尚疎開先又ハ移転先施設、家屋等ニ関スル統制ヲ強化ス
 (4) 残留施設及居住者ノ措置
 残留施設ハ極力簡素化シ堅牢建築、地下施設等ヲ活用シテ能フ限リ之ニ収容スルモノトス
  残留居住者ニ対シテハ能フ限リ職場又ハ其ノ近傍ニ於テ簡素強靱ナル生活ヲ営マシムルコトトシ住居、食糧等ニ付適切ナル具体的措置ヲ講ズ
二、地方中小都市及特定沿岸地帯
 地方中小都市及特定沿津地帯ニ於テハ暫ク疎開移動ヲ抑制スルモノトス
備考
 関係各省ハ本件実施ニ関シ速ニ具体的措置ヲ講ズルモノトス

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